Mid PIG

Yellowセカンドモデルとなる ”Mid PIG”

滑走の高揚感を追求するYellowならではの一本です。

独特の浮き上がるような滑走、脛膝サイズにおいても急激に立ち上がるスピード、
クラシカルなボディからは想像もつかない取り回し。
これらの性能は、PIG特有のアウトライン・斬新なボトムコンツアーが創り出しています。

僕自身が乗り込んでいるのは7’6”x22 1/2”x 3”
このサイズで、ショートでは感じることが無かった新たな滑りの感覚、
ボトムにオイルを塗ったような滑走感を感じています。

クラシカルで重厚な乗り味、強い直進スピードを求める方にお勧めです。
下にはシェイパー直筆のモデル・構造解説を掲載します。

価格:135,000円(税込)~
※コンディションを広げるクアッドプラグの追加も可能です

PIGというサーフボードがデイル・ベルジーによって産み出され、
一大ムーブメントと化した時代がありました。
ワイデストポイントが中心より後方に位置し、ノーズエリアは薄くシェイプされた特徴のあるデザイン。

このデザインを現代のサーファーに違った形で楽しんでいただきたい。
そう考えてシェイプしたボードです。

レングスは今注目されているミッドレンジである6’6” ~7’8” の範囲。
ロングボードでもなく、一般的なショートボーダーのセカンドボードでもない。
このレングスでしか味わえないフィーリングを演出したいと思ったからです。


もっとも大切にしたいフィーリングは 「滑走感」
7フィート前後でこのフィーリングを出すことが最も難しいところです。

ロングボードに乗ればだれもが感じる、後から押されるようなテイクオフの滑り出しと
波のフェイスをフックしてどこまでも走りきるような感覚。
そしてショートボードに乗る方ならわかる、足元に伝わる遠心力。
深く大きい、ターンの醍醐味。

この二つの要素に重きを置き、
まず最初にテイクダウンしたボードは7’8″というレングス。

PIGのアウトラインを継承し、最大幅をセンターより後方にオフセット。
ワイデストポイントからノーズに向かっては少しずつ細くなるが、
それでもノーズ周りには十分な幅を持たせました。


テール周りはエンドに向けてカーブの連続で繋がります。
スタンス時に軸足側にカーブを多くもたせることで、ボードを直感的にコントロールすることができるでしょう。

センター~ワイデストにかけては、動かさずとも自然に加速するライン。
波の高い位置をキープし高速で走り抜けるために、このラインが適しています。
Mid PIGの速度感が高いのは、このパートに肝があります。
このポジションに立てば、独特のアウトラインの意味は手に取るように解るはずです。

テールの形状はスパッと切り落としたようなスカッシュに見えますが、
若干のカーブを帯びており、ダイヤモンドのエッセンスを加えたデザインです。
これは鋭角なピポットターンにも安定感を出し、よりアグレシブなターンやリップアプローチにも有効です。

このテール形状にフィットさせたボトム構造はテールエリアにスパイラルVeeを組み合わせたコンケーブ。
センターフィン前方から山型に隆起した部分とその周りの水流をコントロールするダブルコンケーブを
3次元で組み合わせた形状です。

また、このデザインは幅の広いボードを扱いやすくさせるための形状でもあります。
センター付近は極めてソフトなドーム形状。

ノーズ先端に向けてラウンドを強くしたハルボトムとすることで、
スムーズかつ海面に吸い付くような感覚を得られる形状です。

レールはノーズ付近をアップレール。テールエンドはテーパード。
中間は50/50に近いソフトレール。
少し薄めのレールに仕立てることで波との調和が取りやすく、
幅のあるボードにありがちなバタバタ感を無くしました。


ロッカーは全体にロー。

ノーズ付近は丸みを帯びたボトムから繋がるアップレールに合わせた自然なフリップ。
テールエリアは独特なコンケーブを活かし、ストリンガー上はフラットでレール側に強めのキックを配置。
フィン後方でゆるくせり上がる形状。
これによってフェイスをスムーズに走りぬき、レールを入れたターン時には急激なピボットを実現しています。


ボード全体の重量バランスは、より滑走感を増すために各部の厚みを調整しました。
写真の7’6”のグラッシングに関しては、yellowらしい樹脂カラーを表現しながら
丈夫なガラスクロスでボードに適度な重さを加えました。
独特なトルクを産み出すための機能的ウェイトになっています。

サイズチャートとしては
長さ 6’ 6”~7’ 8”

幅  22”~23”

厚さ 2”11/16~3”1/8
サイズに関してはHATCHET同様、ユーザーに合わせ綿密に設定できるカスタムです。


メインであるシングルフィン設定時はトルクフルで激しい加速感。
オプションのクアッド設定時にはレスポンスの良いターンを。
ミッドレンジにしてロング並みの滑走感と短いボードには無いカービングを実現するための
ボードだと思います。